「法と心理」への論文採録決定

以下の論文が法と心理学会の論文誌「法と心理」に掲載されることが決定しました。

村山綾・三浦麻子 (in press). 有罪・無罪判断と批判的思考態度との関連-テキストデータを用いた分析から.
法と心理.

要 約: 本研究の目的は、刑事裁判における有罪・無罪判断と批判的思考態度の関連性について、テキストデータ分析から明らかにすることである。144名の大学生・ 大学院生が、(1)覚せい剤密輸事件を題材とした、無罪判断が妥当な公判シナリオを読み、(2)有罪・無罪判断、(3)判断の理由(自由記述方式)、 (4)批判的思考態度尺度について回答した。判断の理由を対象に頻出語を抽出し、有罪・無罪判断×批判的思考態度高群・低群を属性としたコレスポンデンス 分析を行った。その結果、無罪判断で批判的思考態度得点が高い場合は、物的証拠の欠如といったメタな理由づけをしている一方、有罪判断で批判的思考態度得 点が低い場合は法廷での証言や発言などについて言及すると同時に、「おかしい」や「不自然」「信用」といった主観的評価が判断理由に含まれることが示され た。
キーワード 批判的思考態度 テキストデータ 有罪・無罪判断

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テキストデータ分析では、大阪大学大学院経済学研究科の松村真宏先生と、本論文の第2著者である三浦麻子教授が共同開発したテキストマイニングの前処理ソフトウェアTinyTextMiner(TTM)を使用しました。