関西学院大学応用心理科学研究センター(CAPS)では、Sona Systemsとの共同プロジェクトとして、人を対象とした臨床・調査・実験参加者登録システムを日本語化しました。その後、運営元を心理科学研究室に移管して継続しています。

研究参加登録システムとは

これまで心理学的な研究を実施する場合は、参加者を授業などで募集し、個別にスケジュールを尋ねて実験予定を組むというやり方が一般的でした。 しかしそれだとどうしても研究者側の払う労力が大きく、データをとる前にかなりの時間を費やさなければなりませんでした。

また、せっかく予定を組んだものの、参加者が当日になって現れないなどということも少なくありません。今回、関西学院大学で導入したシステムは、アメリカの多くの大学で採用されているもので、 学生自身がwebサイトにアクセス、参加者登録をします。ログイン後、学生は研究者が登録している研究リストを閲覧し、参加可能な実験および調査を自ら選んで登録し、実験に参加する、もしくは調査に回答するという流れです。
実験前日のリマインダーメールも自動送信設定が可能です。また、キャンセル手続きなども自動化されており、研究者がこれまでに割いてきた実験参加者との調整に関する時間を大幅に短縮することが可能になると思われます。

アカウントの種類

参加者アカウント

実験、調査に参加する人のアカウント(通常学生ということになります)

できること

・実験への参加登録、キャンセル手続き、オンライン調査への参加(途中離脱も可能)

研究者アカウント

実験、調査をする人のアカウント(通常、研究員、教員等ということになります)

できること

・研究登録、参加者募集、クレジット・謝金の受け渡し管理

インストラクターアカウント

担当授業の学生の動向を把握するためのアカウント

できること

・クレジット取得状況の確認、クレジット付与、参加可能な研究リストの閲覧
※学部単位で運用する際に活用されるアカウントです。研究登録はできません。

管理者アカウント

システム全体の管理をするためのアカウント

できること

・一斉メール送信、参加者管理、実施状況モニタリング、学期末のメンテナンス

主な特徴

以下のような特徴があります。

研究参加登録

(1) 一般的な実験室実験
一人もしくは集団での実験室実験実施に際する参加登録ができます。
(2) 2回参加が必要な実験室実験
記憶実験などで1週間程度間隔をあけて2回実験を実施する必要がある場合、一度の登録で2回分の実験参加の管理ができます。
(3) 本システムを利用したオンライン調査
このシステムをうまく利用すれば、質問紙の印刷や授業時での配布、回答時間などを必要としなくなります。
(4) 外部サイトと連携させたオンライン調査
サーベーモンキー等のオンライン調査サービスと連携させることができます。

参加者管理(研究者アカウント、管理者アカウントによる連携)

(1) 参加者のスクリーニング
さまざまなスクリーニング機能を利用することで、実験参加者の属性を統制することができます。
例:「A」という実験にすでに参加している学生、「B」という実験に参加していない学生、招待コード(研究者が設定します)を持っている学生、当日キャンセルが多い学生の参加拒否、その他、事前スクリーニング機能を利用すれば、性別や学部、学年、特定の個人特性に基づく分類なども可能です。
(2) 参加しなかった学生へのペナルティ付与(授業などの課題にする場合)

自動リマインダメール送信

研究参加登録時、参加の前日に、システムから参加に関する詳細が記された自動リマインダメールが送信されます。(研究参加登録時のメール文面例↓)

一斉メール送信

管理者アカウントからは、システムに登録している全員に対して一斉メールを送信することができます。研究者アカウントからは、自分の実験に参加済み、参加予定の登録者に一斉メールを送信することができます。

 

参考資料ダウンロード

2014年9月12日に日本心理学会にて本システムに関するチュートリアルワークショップを実施しました。
その際に使用した資料を以下からダウンロードできます。

JPA2014_participant.pdf (350k) …参加者アカウントの使用方法

JPA2014_PI.pdf (580k) …研究者アカウントの使用方法

2014TWS_slides.pdf (1855k)…発表時に使用したスライドです(一部変更あり)

※30日間のフリーデモが利用できます。デモサイトの申請やご質問等は直接ソナシステムズにお問い合わせください。