「実験社会心理学研究」への論文採録決定

以下の論文が日本グループ・ダイナミックス学会の論文誌「実験社会心理学研究」に掲載されることが決定しました。

村山綾・三浦麻子 (in press). 集団討議における葛藤と主観的パフォーマンス-マルチレベル分析による検討-.
実験社会心理学研究.
要 約: 本研究では、集団討議で生じる葛藤と対処行動、およびメンバーの主観的パフォーマンスの関連について検討した。4名からなる合計17集団(68名)にラン ダムに配置された大学生が、18分間の集団課題を遂行した。その際、討議開始前、中間、終了時に、メンバーの意見のずれから算出される実質的葛藤を測定し た。また討議終了時には、中間から終了にかけて認知された2種類の葛藤の程度、および葛藤対処行動について回答を求めた。分析の結果、集団内の実質的葛藤 は相互作用を通して変遷すること、また、中間時点の実質的葛藤は主観的パフォーマンスと関連が見られないものの、終了時点の葛藤の高さは主観的パフォーマ ンスを低下させることが示された。関係葛藤の高さと回避的対処行動は主観的パフォーマンスの低さと関連し、統合的対処行動は主観的パフォーマンスの高さと 関連していた。関係葛藤と課題葛藤の交互作用効果も示され、課題葛藤の程度が低い場合は、関係葛藤が低い方が高い方よりも主観的パフォーマンスが高くなる 一方で、課題葛藤の程度が高い場合にはそのような差はみられなかった。葛藤の測定時点の重要性、および多層的な検討の必要性について議論した。