集団内の葛藤と対処行動、専門家-非専門家の合意形成過程、非専門家による法的判断について、社会心理学的に研究しています。

Email: murayama(at)intl.kindai.ac.jp

「法と心理」誌への論文掲載決定

以下の論文が「法と心理」誌に掲載されることが決まりました。

村山綾・三浦麻子 (in press). 裁判員は何を参照し、何によって満足するのか‐専門家-非専門家による評議コミュニケーション‐. 法と心理.

【概要】本研究の目的は、裁判員裁判を模した専門家‐非専門家の評議過程において、(1)非専門家が有罪・無罪判断に用いる材料が事前の意見分布や評議前 後の意見変容のパターンによって異なるかどうかを検討することと、(2)裁判員の主観的成果の指標として満足度に注目し、評議の満足度を高める要因を多面 的に検討することである。実験協力者の裁判官役1名(常に有罪を主張)、実験参加者の裁判員役3名の計4名からなる30集団が有罪・無罪判断を決定する評 議を行った。大学生90名のデータを対象とした分析の結果、非専門家は、専門家や多数派の意見を参考に自らの判断を行うこと、評議に関する満足度には専門 家に対する信頼の程度や、専門家や自分と同じ立場である非専門家との意見の相違などが影響することが示された。事件内容の理解も満足度を高めていたが、評 議中の発言量とは関連が見られなかった。裁判員の評議への実質的参加を高める評議デザインについて議論した。
Keywords:評議,裁判員制度,主観的成果

質問・コメント等は、メール(murayama(at)kwansei.ac.jp)で受け付けていますので、ご連絡ください。

「心理学研究」誌への論文掲載決定

以下の論文が心理学研究に掲載されることが決まりました。

村山綾・三浦麻子(2015). 被害者非難と加害者の非人間化―2種類の公正世界信念との関連―. 心理学研究, 86(1).

【概要】
本 研究では,公正世界信念を多次元的に捉え,内在的公正世界信念(負の投入には負の結果がともなうと考える傾向)と究極的公正世界信念(被害により受けた損 失は将来的に埋め合わされると考える傾向)が,被害者非難や加害者に対する厳罰指向に及ぼす影響を検討した。研究1では公正世界信念を多次元的に捉えるこ との妥当性を検証し,他の心理変数との関連を示した。研究2では,参加者に傷害事件に関する架空の新聞記事を読ませた後に,事件の被害者と加害者に対する 反応を測定した。その結果,内在的公正世界信念の強さは加害者に対する厳罰指向を生じさせる一方,究極的公正世界信念の強さは被害者との間の心理的距離を 大きくさせることが示された。さらに,内在的公正世界信念と厳罰指向の関連に,加害者に対する非人間化の効果が介在することも示した。被害者と加害者が顕 在化する際の2種類の公正世界信念と信念維持方略との関連について議論した。

キーワード:公正世界信念,被害者非難,厳罰指向,加害者の非人間化

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優秀論文賞を受賞しました

2014年9月6,7日に行われた日本グループ・ダイナミックス学会第61回大会にて、以下の論文が2013年度優秀論文賞を受賞しました。

村山 綾・三浦麻子 (2014). 集団討議における葛藤と主観的パフォーマンス-マルチレベル分析による検討-. 実験社会心理学研究, 53, 81-92.

【概要】--------

本研究では,集団討議で生じる葛藤と対処行動,およびメンバーの主観的パフォーマンスの関連について検討した。4名からなる合計17集団(68名)にランダ ムに配置された大学生が,18分間の集団課題を遂行した。その際,討議開始前,中間,終了時に,メンバーの意見のずれから算出される実質的葛藤を測定し た。また討議終了時には,中間から終了にかけて認知された2種類の葛藤の程度,および葛藤対処行動について回答を求めた。分析の結果,集団内の実質的葛藤 は相互作用を通して変遷すること,また,中間時点の実質的葛藤は主観的パフォーマンスと関連が見られないものの,終了時点の葛藤の高さは主観的パフォーマ ンスを低下させることが示された。関係葛藤の高さと回避的対処行動は主観的パフォーマンスの低さと関連し,統合的対処行動は主観的パフォーマンスの高さと 関連していた。関係葛藤と課題葛藤の交互作用効果も示され,課題葛藤の程度が低い場合は,関係葛藤が低い方が高い方よりも主観的パフォーマンスが高くなる 一方で,課題葛藤の程度が高い場合にはそのような差はみられなかった。葛藤の測定時点の重要性,および多層的な検討の必要性について議論した。
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本 論文は、大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室の大坊郁夫教授(現東京未来大学)のご指導のもと提出した博士論文の一部を加筆・修正したもの です。分析に際しては、広島大学の清水裕士先生からアドバイスをいただきました。また、現受入れ教員で、共著者でもある三浦麻子先生と多くの議論を重ね、 論文の形にまとめることができました。投稿後は、査読者の先生方から有益なコメントをいただき、それを受けて行った追加分析や結果の再解釈があったからこ そ、このような賞をいただけたと思います。本論文に関わってくださったすべての先生方に対して、あらためて感謝申し上げます。

Journal of Cross-Cultural Psychologyへの論文掲載決定

以下の論文がJournal of Cross-Cultural Psychologyに掲載されることが決まりました。

Murayama, A., Ryan, C. S., Shimizu, H., Kurebayashi, K., & Miura, A. (in press). Cultural Differences in Perceptions of Intragroup Conflict and Preferred Conflict-Management Behavior: A Scenario Experiment. Journal of Cross-Cultural Psychology.

Abstract
This study focused on cultural differences in perceived relationship and task conflict within groups and preferences for active and agreeable conflict-management behavior. Task conflict (low vs. high) and relationship conflict (low vs. high) were manipulated within subjects in a 2 x 2 x 2 (culture) mixed design. Japanese (n = 100) and American (n = 121) undergraduate students rated each scenario with respect to task conflict, relationship conflict, and preferred conflict-management behavior. Results showed that task and relationship conflict were mistaken for each other in both cultures; however, Americans misattributed strong task conflict to relationship conflict more than Japanese. Cultural differences in preferred conflict-management also emerged. Japanese preferred active conflict-management more than Americans in the strong (vs. weak) task conflict situation when relationship conflict was low (vs. high), whereas Americans preferred active conflict management more than Japanese when relationship conflict was high—regardless of task conflict. Finally, Americans preferred agreeable conflict-management behavior more than Japanese when both types of conflict were low.

Keywords: intragroup conflict, relationship conflict, task conflict, cultural difference

質問・コメント等は、メール(murayama(at)kwansei.ac.jp)で受け付けていますので、ご連絡ください。

日本心理学会での発表予定

9月10~12日に同志社大学で開催される日本心理学会第78回大会では、以下のセッションで発表します。

(1)9/10(月)9:20-11:20/公募シンポジウム(SS-001)/話題提供者

一般市民はどのように法的判断を行うのか?­個人・集団による判断に着目して
名畑 康之/村山 綾/綿村 英一郎/荒川 歩/石崎 千景/上宮 愛
…>>私は「集団による判断」に関して話題提供を担当します。

(2)9/12(金)11:40-12:50/チュートリアルワークショップ(TWS-016)【定員60名】 /講師

クラウド型心理学実験参加登録システムの運用と今後の展望
 村山 綾/Justin Fidler
…>>関 西学院大学応用心理科学研究センターがソナシステムズと共同で日本語化したクラウド型心理学実験参加登録システムの利用方法について説明します。また、ソ ナシステムズ社CEOのJustin Fidler氏によるシステムの紹介や、こちらから要望を伝える時間なども設ける予定です。大会期間中はソナシステムズのブースも出展される予定ですの で、興味のある方は是非ご参加・お立ち寄りください。

どうぞよろしくお願いします。

日本社会心理学会で発表してきました

7月26日、27日に北海道大学で開催された日本社会心理学会第55回大会にて、以下のタイトルでポスター発表してきました。

「幸運を得た人の道徳的価値と内在的公正推論」
発表原稿はこちらからダウンロードできます

われわれは、ニュースや新聞を通して他者の不運や幸運を目にすることがあります。今回は、たまたま幸運を手にした人に対して、われわれがどのように反応するのかという点について、その人が「良い人」か「悪い人」か実験的な操作を加えて検討しました。

結果を大まかに説明すると、人は、仕事に熱心で周囲からの人望もある人が幸運(たまたま購入したロトくじが当たる)を得ると「その人が良い人だから宝くじに当選した」と 推論(これが内在的公正推論にあたります)する一方で、過去に犯罪(今回は窃盗)を犯した人が同じ幸運を得ると、その幸運のせいで将来悪いことが起こるこ とを予期(これは究極的公正予期と定義しています)する、というものでした。幸運や不運とその人の過去の道徳的な価値(良い人か悪い人か)は、本来全く関係ないことなのですが、このような推論や予期 を通して「人はその人にふさわしいものを手にしているし、手にするべきである」というような信念を維持しようとしたり、「頑張った人が報われる(≒悪い人 には罰がくだる)社会」への欲求を満たそうとする、という結果です。

このような信念や欲求は、公正世界信念、公正世界欲求と定義され検討が進められています。引き続きこれらについて検討していく予定です。

本研究結果に質問等ある方は、murayama(at)kwansei.ac.jpまでご連絡ください。

2014年度開始

2014年度が始まりました。今年度も引き続き関西学院大学応用心理科学研究センターで博士研究員として研究を続けます。専門家−非専門家のコミュニケーション、一般市民の法的判断、集団意思決定等についての研究を進めています。

【今年度担当の授業】
・関西学院大学文学部「心理科学実習A」「総合B」
・関西学院大学社会学部「インターミディエイト演習」

シンポジウムのご案内(2014/3/22)

裁判員裁判と集団意思決定

2014年3月22日(土)に、応用心理科学研究センター主催のシンポジウムが開催されます。
私も話題提供者の一人として登壇します。

裁判員制度が施行されて5年がたとうとしています。求刑以上の判決が施行前よりも多くなるといった特徴が示されつつある現状を踏まえ、これまでに実施された社会心理学的な評議研究の結果や、今後必要となるであろう研究についてご報告する予定です。
ご都合の合う方はぜひお越しください。一般の方の参加も歓迎しております。

詳細は応用心理学研究センターのページをご覧ください。

チュートリアルワークショップ資料

2013年9月20日に、日本心理学会の年次大会にて以下のタイトルのチュートリアルワークショップの講師をしました。

「心理学実験の参加者管理に際するオンラインシステムの活用」

現在私が所属している関西学院大学応用心理科学研究センターは、ソナ・システムズと連携して心理学実験参加者管理システムを日本語化しました。今回のチュートリアルワークショップでは、このシステムの使用方法を説明させていただきました。

詳細は以下のページをご覧ください。

http://kg-caps.com/information/2013/04/16/jpa77th_ws/

本チュートリアルで使用した資料をアップロードしますので、興味のある方はご自由にダウンロード、閲覧してください。なお、それぞれのファイルの内容は以下のとおりです。

2014年7月にソナシステムズのインターフェースが大幅に変更になりました。これに伴い、現在ダウンロードできる資料は特にインターフェースの面において現状とは異なります。使用方法については大きな変更はありません。どうぞご了承ください。

jpa2013_participant.pdf (874k) …参加者アカウントの使用方法

jpa2013_researcher.pdf (1087k) …研究者アカウントの使用方法

jpa2013_slides.pdf (2616k)…発表時に使用したスライドです(一部変更あり)

心理学ワールドへの記事掲載

日本心理学会が発行している機関紙「心理学ワールド」61号に、子育てに関する記事が掲載されました。
以下のリンク先から閲覧することができます。

村山綾・岡耕平(2013) 悩みながら、前進―三人の子育て 心理学ワールド, 61, 44.

現在、5歳の長男、3歳の次男、三男の子育てをしながら研究をしています。当初はどうなることかと思いましたが、3年目に入り少し落ち着いてきました。といってもあっという間に一日が過ぎてゆく日々に変わりはありません。

研究活動に使える時間は限られている一方で、効率化や作業の優先順位のつけ方で補える部分もかなりあると思います。
周囲の皆様に助けられての毎日ですが、引き続き研究と子育てにまい進します。