集団内の葛藤と対処行動、専門家-非専門家の合意形成過程、非専門家による法的判断について、社会心理学的に研究しています。

Email: murayama(at)intl.kindai.ac.jp

日本社会心理学会第57回で発表しました

jssp2016_poster_murayama_vertical日本社会心理学会第57回大会にて「不運に対する公正推論の日米比較-信仰との関連-」というタイトルでポスター発表を行いました。日本人とアメリカ人で、信仰(日本人の場合は仏教、アメリカ人の場合はキリスト教)の有無によるスクリーニングを行い、内在的公正推論(ある人物に起こった不運な出来事を、そのような因果関係が存在し得ないにもかかわらず、その人物の過去の道徳的失敗に原因帰属すること)の行いやすさとの関連を検討したものです。分析の結果、アメリカ人では信仰の効果が見られたものの、日本人では見られないということが示されました。今後は、日本人の内在的公正推論のしやすさと関連する変数の同定を行う予定です。

発表資料は、こちらからダウンロードできます。

国際学部1期生留学スタート

近畿大学国際学部1年生が留学に旅立ちました。これから8ヶ月間,あっという間にすぎてしまうでしょうが,ぜひ多くのことを吸収して帰ってきて欲しいと思います。私が担当する基礎ゼミに所属している皆さんからのフォトレポートを以下のページで更新中です。

基礎ゼミ留学フォトレポート

出発直前に提出してもらった第1回のテーマは「2016年夏」です。
どんな写真を届けてくれるのか,今から楽しみです。

(※撮影者本人がWebサイトでの公開をOKした写真のみを掲載しています)

 

IACCP 2016で発表してきました

名古屋で開催されたInternational Congress of Cross-Cultural Psychologyの大会に参加してきました。私は以下のタイトルでポスター発表をしました。

 Is misfortune a result of past misdeeds or compensated for in the future? – Cultural difference in justice reasoning – MURAYAMA, Aya & MIURA, Asako
内在的公正推論 と究極的公正推論の文化差について、宗教心の媒介効果と合わせて検討したものです。日本人は不運な目(交通事故)にあった道徳的価値の低い人物(窃盗犯) に対して、アメリカ人よりも内在的公正推論(不運はその人物が過去に悪いことをしていたからだ)をする一方、アメリカ人は道徳的価値の高低関係なく、日本 人よりも不運に対する究極的公正推論(不運はいつか良い出来事によって清算される)を行うという結果でした。また、文化と究極的公正推論の関係を宗教心の 強さが媒介しており、アメリカ人でも宗教心の強い人ほど、究極的公正推論を行いやすいことが示されました。Murayama & Miura (in press) の次の研究という位置づけのものです。
発表後、Congress Dinnerに参加しました。公設市場の屋上にあるビアガーデンが会場でしたが、ゲリラ豪雨が発生し、思い出に残るものとなりました。初めての参加でしたが、会員同士のコミュニケーションも活発で、居心地の良い大会でした。大会委員長の先生方やスタッフの皆様、ありがとうございました。

Social Justice Research 誌への論文掲載決定

以下の論文が「Social Justice Research」誌に掲載されることが決まりました。

Murayama, A., & Miura, A. (2016). Two types of justice reasoning about good fortune and misfortune: A replication and beyond.Social Justice Research.

While research into justice reasoning has progressed extensively, the findings and implications have been mainly limited to Western cultures. This study investigated the relationship between immanent and ultimate justice reasoning about others’ misfortune and good good fortune in Japanese participants. The effects of goal focus and religiosity, which previously have been found to foster justice reasoning, were also tested. Participants were randomly assigned to one condition of a 2 (goal focus: long term or short-term) × 2 (target person’s moral value: respected or thief) × 2 (type of fortune: misfortune or good fortune) design. For immanent justice reasoning, the results revealed that a “bad” person’s misfortune was attributed to their past misdeeds, while a “good” person’s good fortune was attributed to their past good deeds. Regarding ultimate justice reasoning, it was found that a good person’s misfortune was connected more to future compensation than their good fortune, whereas a bad person’s misfortune was not reasoned about using ultimate justice. There was no significant effect of religiosity or goal focus on justice reasoning, which is inconsistent with the findings of previous studies. The necessity of directly examining cultural differences is discussed in relation to extending and strengthening the theory of justice reasoning.

2 種類の公正推論を促進させると言われる、宗教性や長期目標への焦点化は、日本人を対象とした検討では効果がみられなかったものの、道徳的価値の低い人物の 不運は内在的公正推論が行われ、道徳的価値の高い人物の不運は究極的公正推論が行われるという傾向は先行研究と一貫していたという内容です。また、このよ うな先行研究の再現性の検討に加えて、幸運に対する公正推論についても新たに検討しました。

科学研究費補助金が採択されました

2016年度から、以下の課題名で日本学術振興会科学研究費(若手B)をいただけることになりました。

「未来に拡がる時間と公正推論」 研究代表者・村山綾

近畿大学国際学部に着任しました

2016年4月1日より、近畿大学国際学部に特任講師として着任しました。

引き続き、教育・研究活動に邁進していく所存です。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

「対人社会心理学の研究レシピ」が出版されました

対人社会心理学の研究レシピ: 実験実習の基礎から研究作法まで

 
以下の書籍にて、「第14章:情報共有と集団内葛藤」を担当させていただきました。

大坊 郁夫 (監修),谷口淳一・金政祐司・木村昌紀・石盛真徳(編) 2016. 対人社会心理学の研究レシピ. 北大路書房.
(担当p.188-204)

集団メンバー間で積極的に情報共有プロセスを導入することの重要性や、その効果的な方法について、実習形式で学べるような情報共有課題を作成しました。課題作成に際しては、関西学院大学文学部総合心理科学科の三浦麻子先生のゼミに所属していた梅田京さん、岡田依里さん、 歸山玄太さん、上有谷もえこさん、隈香央里さん、高橋麻里さん、山崎竜夜さんの協力を得ました。ここに記して感謝します。

心理学ミュージアムにて最優秀作品賞を受賞しました

日本心理学会第79回大会にて、心理学ミュージアムに応募していた作品「人はなぜ被害者を責めるのか?公正世界仮説がもたらすもの」が2015年度最優秀作品賞を受賞しました。作品に出てくるイラストは、田渕恵さん(日本学術振興会・関西学院大学)に描いていただきました。少し重たいテーマについて、分かりやすく伝えるためにあれこれと考えた作品ですが、その中でもこのイラストは欠かせない要素でした。上記のタイトル画像より作品のページをご覧いただけます。

クローズアップ 「メディア」 (現代社会と応用心理学 5) が出版されました

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-%E3%80%8C%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%80%8D-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%A8%E5%BF%9C%E7%94%A8%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6-%E6%B5%AE%E8%B0%B7-%E7%A7%80%E4%B8%80/dp/4571255055

以下の書籍にて、「トピック11 ブログ社会の『自己開示』と『自己呈示』」を担当させていただきました。

浮谷 秀一 ・大坊 郁夫 (編著), 2015. 日本応用心理学会 企画 クローズアップ 「メディア」 (現代社会と応用心理学 5) 福村出版.
(p.108-117)

インターネットを介したコミュニケーションの特徴や、そこで問題になること、ブログの読者や開設者として注意しておきたいことなどを中心にまとめました。

「認知科学」誌への論文掲載決定

以下の論文が「認知科学」誌に掲載されることが決まりました。

村山綾・三浦麻子(in press). 非専門家の法的判断に影響を及ぼす要因-道徳基盤・嫌悪感情・エラー管理に基づく検討-. 認知科学, 22(3)

裁 判員裁判が対象とするような重大な刑事事件に対する一般市民の法的判断の特徴について、道徳基盤の個人差や、事件の概要を知ることで誘発される嫌悪感情と の関係を明らかにした研究です。被害者の受けた傷の程度が重いほど加害者とされる人物(関与を全面的に否認)の罪責認定をしやすくなることが示され、その 背景には、冤罪につながる判断をすることに対する後悔の程度の低下があることが示唆されました。

詳細については、直接ご連絡いただくか、論文掲載まで今しばらくお待ちください(2015年9月掲載予定です)。