認知科学誌への論文掲載決定

以下の論文が「認知科学」誌に掲載されることが決まりました。

論文種別:ショートノート
村山綾・三浦麻子. (2017).刑事事件の元被告人に対するフォルスアラーム効果. 認知科学24(2)

False alarm effects against the defendant of a criminal case
Abstract: This study investigated false alarm effects against interacting with a person who had been indicted in an attempted murder case. Two hundred and forty participants were asked to read a fictional story about such a case. The degree of physical injury of the victim (i.e., minor or permanent damage) and the subsequent truth (i.e., the person was guilty or not) were manipulated. After reading the scenario, the participants were asked to rate their desire to avoid the indicted person and to estimate the risks of either gazing at him or having a conversation. Consistent with Error Management Theory (EMT), the strongest false alarm effect was obtained against having a conversation with a person who was actually guilty as well as when the physical injury of the victim was more severe. We also confirmed false alarm effects in some conditions where the indicted person was not guilty. These results indicate that the general tendency to avoid a person who possibly threatens one’s safety, as suggested by EMT, could be applicable to situations of interaction with the former accused in a criminal case.

本研究の目的は,身体的ダメージを受けた被害者が存在するような刑事事件にかかわった可能性のある人物に対する一般市民の回避傾向を,エラー管理理論(Haselton & Buss, 2000)の観点から明らかにすることでした.刑事事件の被告人に対する有罪・無罪判断をエラー管理理論に基づき検討した村山・三浦(2015)で得られた知見をさらに拡張・発展させることを目指しました.結果の詳細については, メールにてお問い合わせください.2017年の6月公刊予定です.

Social Justice Research 誌への論文掲載決定

以下の論文が「Social Justice Research」誌に掲載されることが決まりました。

Murayama, A., & Miura, A. (2016). Two types of justice reasoning about good fortune and misfortune: A replication and beyond.Social Justice Research.

While research into justice reasoning has progressed extensively, the findings and implications have been mainly limited to Western cultures. This study investigated the relationship between immanent and ultimate justice reasoning about others’ misfortune and good good fortune in Japanese participants. The effects of goal focus and religiosity, which previously have been found to foster justice reasoning, were also tested. Participants were randomly assigned to one condition of a 2 (goal focus: long term or short-term) × 2 (target person’s moral value: respected or thief) × 2 (type of fortune: misfortune or good fortune) design. For immanent justice reasoning, the results revealed that a “bad” person’s misfortune was attributed to their past misdeeds, while a “good” person’s good fortune was attributed to their past good deeds. Regarding ultimate justice reasoning, it was found that a good person’s misfortune was connected more to future compensation than their good fortune, whereas a bad person’s misfortune was not reasoned about using ultimate justice. There was no significant effect of religiosity or goal focus on justice reasoning, which is inconsistent with the findings of previous studies. The necessity of directly examining cultural differences is discussed in relation to extending and strengthening the theory of justice reasoning.

2 種類の公正推論を促進させると言われる、宗教性や長期目標への焦点化は、日本人を対象とした検討では効果がみられなかったものの、道徳的価値の低い人物の 不運は内在的公正推論が行われ、道徳的価値の高い人物の不運は究極的公正推論が行われるという傾向は先行研究と一貫していたという内容です。また、このよ うな先行研究の再現性の検討に加えて、幸運に対する公正推論についても新たに検討しました。

「対人社会心理学の研究レシピ」が出版されました

対人社会心理学の研究レシピ: 実験実習の基礎から研究作法まで

 
以下の書籍にて、「第14章:情報共有と集団内葛藤」を担当させていただきました。

大坊 郁夫 (監修),谷口淳一・金政祐司・木村昌紀・石盛真徳(編) 2016. 対人社会心理学の研究レシピ. 北大路書房.
(担当p.188-204)

集団メンバー間で積極的に情報共有プロセスを導入することの重要性や、その効果的な方法について、実習形式で学べるような情報共有課題を作成しました。課題作成に際しては、関西学院大学文学部総合心理科学科の三浦麻子先生のゼミに所属していた梅田京さん、岡田依里さん、 歸山玄太さん、上有谷もえこさん、隈香央里さん、高橋麻里さん、山崎竜夜さんの協力を得ました。ここに記して感謝します。

クローズアップ 「メディア」 (現代社会と応用心理学 5) が出版されました

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-%E3%80%8C%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%80%8D-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%A8%E5%BF%9C%E7%94%A8%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6-%E6%B5%AE%E8%B0%B7-%E7%A7%80%E4%B8%80/dp/4571255055

以下の書籍にて、「トピック11 ブログ社会の『自己開示』と『自己呈示』」を担当させていただきました。

浮谷 秀一 ・大坊 郁夫 (編著), 2015. 日本応用心理学会 企画 クローズアップ 「メディア」 (現代社会と応用心理学 5) 福村出版.
(p.108-117)

インターネットを介したコミュニケーションの特徴や、そこで問題になること、ブログの読者や開設者として注意しておきたいことなどを中心にまとめました。

「認知科学」誌への論文掲載決定

以下の論文が「認知科学」誌に掲載されることが決まりました。

村山綾・三浦麻子(in press). 非専門家の法的判断に影響を及ぼす要因-道徳基盤・嫌悪感情・エラー管理に基づく検討-. 認知科学, 22(3)

裁 判員裁判が対象とするような重大な刑事事件に対する一般市民の法的判断の特徴について、道徳基盤の個人差や、事件の概要を知ることで誘発される嫌悪感情と の関係を明らかにした研究です。被害者の受けた傷の程度が重いほど加害者とされる人物(関与を全面的に否認)の罪責認定をしやすくなることが示され、その 背景には、冤罪につながる判断をすることに対する後悔の程度の低下があることが示唆されました。

詳細については、直接ご連絡いただくか、論文掲載まで今しばらくお待ちください(2015年9月掲載予定です)。

「法と心理」誌への論文掲載決定

以下の論文が「法と心理」誌に掲載されることが決まりました。

村山綾・三浦麻子 (in press). 裁判員は何を参照し、何によって満足するのか‐専門家-非専門家による評議コミュニケーション‐. 法と心理.

【概要】本研究の目的は、裁判員裁判を模した専門家‐非専門家の評議過程において、(1)非専門家が有罪・無罪判断に用いる材料が事前の意見分布や評議前 後の意見変容のパターンによって異なるかどうかを検討することと、(2)裁判員の主観的成果の指標として満足度に注目し、評議の満足度を高める要因を多面 的に検討することである。実験協力者の裁判官役1名(常に有罪を主張)、実験参加者の裁判員役3名の計4名からなる30集団が有罪・無罪判断を決定する評 議を行った。大学生90名のデータを対象とした分析の結果、非専門家は、専門家や多数派の意見を参考に自らの判断を行うこと、評議に関する満足度には専門 家に対する信頼の程度や、専門家や自分と同じ立場である非専門家との意見の相違などが影響することが示された。事件内容の理解も満足度を高めていたが、評 議中の発言量とは関連が見られなかった。裁判員の評議への実質的参加を高める評議デザインについて議論した。
Keywords:評議,裁判員制度,主観的成果

質問・コメント等は、メール(murayama(at)kwansei.ac.jp)で受け付けていますので、ご連絡ください。

「心理学研究」誌への論文掲載決定

以下の論文が心理学研究に掲載されることが決まりました。

村山綾・三浦麻子(2015). 被害者非難と加害者の非人間化―2種類の公正世界信念との関連―. 心理学研究, 86(1).

【概要】
本 研究では,公正世界信念を多次元的に捉え,内在的公正世界信念(負の投入には負の結果がともなうと考える傾向)と究極的公正世界信念(被害により受けた損 失は将来的に埋め合わされると考える傾向)が,被害者非難や加害者に対する厳罰指向に及ぼす影響を検討した。研究1では公正世界信念を多次元的に捉えるこ との妥当性を検証し,他の心理変数との関連を示した。研究2では,参加者に傷害事件に関する架空の新聞記事を読ませた後に,事件の被害者と加害者に対する 反応を測定した。その結果,内在的公正世界信念の強さは加害者に対する厳罰指向を生じさせる一方,究極的公正世界信念の強さは被害者との間の心理的距離を 大きくさせることが示された。さらに,内在的公正世界信念と厳罰指向の関連に,加害者に対する非人間化の効果が介在することも示した。被害者と加害者が顕 在化する際の2種類の公正世界信念と信念維持方略との関連について議論した。

キーワード:公正世界信念,被害者非難,厳罰指向,加害者の非人間化

質問・コメント等は、メール(murayama(at)kwansei.ac.jp)で受け付けていますので、ご連絡ください。

Journal of Cross-Cultural Psychologyへの論文掲載決定

以下の論文がJournal of Cross-Cultural Psychologyに掲載されることが決まりました。

Murayama, A., Ryan, C. S., Shimizu, H., Kurebayashi, K., & Miura, A. (in press). Cultural Differences in Perceptions of Intragroup Conflict and Preferred Conflict-Management Behavior: A Scenario Experiment. Journal of Cross-Cultural Psychology.

Abstract
This study focused on cultural differences in perceived relationship and task conflict within groups and preferences for active and agreeable conflict-management behavior. Task conflict (low vs. high) and relationship conflict (low vs. high) were manipulated within subjects in a 2 x 2 x 2 (culture) mixed design. Japanese (n = 100) and American (n = 121) undergraduate students rated each scenario with respect to task conflict, relationship conflict, and preferred conflict-management behavior. Results showed that task and relationship conflict were mistaken for each other in both cultures; however, Americans misattributed strong task conflict to relationship conflict more than Japanese. Cultural differences in preferred conflict-management also emerged. Japanese preferred active conflict-management more than Americans in the strong (vs. weak) task conflict situation when relationship conflict was low (vs. high), whereas Americans preferred active conflict management more than Japanese when relationship conflict was high—regardless of task conflict. Finally, Americans preferred agreeable conflict-management behavior more than Japanese when both types of conflict were low.

Keywords: intragroup conflict, relationship conflict, task conflict, cultural difference

質問・コメント等は、メール(murayama(at)kwansei.ac.jp)で受け付けていますので、ご連絡ください。

「法と心理」への論文採録決定

以下の論文が法と心理学会の論文誌「法と心理」に掲載されることが決定しました。

村山綾・三浦麻子 (in press). 有罪・無罪判断と批判的思考態度との関連-テキストデータを用いた分析から.
法と心理.

要 約: 本研究の目的は、刑事裁判における有罪・無罪判断と批判的思考態度の関連性について、テキストデータ分析から明らかにすることである。144名の大学生・ 大学院生が、(1)覚せい剤密輸事件を題材とした、無罪判断が妥当な公判シナリオを読み、(2)有罪・無罪判断、(3)判断の理由(自由記述方式)、 (4)批判的思考態度尺度について回答した。判断の理由を対象に頻出語を抽出し、有罪・無罪判断×批判的思考態度高群・低群を属性としたコレスポンデンス 分析を行った。その結果、無罪判断で批判的思考態度得点が高い場合は、物的証拠の欠如といったメタな理由づけをしている一方、有罪判断で批判的思考態度得 点が低い場合は法廷での証言や発言などについて言及すると同時に、「おかしい」や「不自然」「信用」といった主観的評価が判断理由に含まれることが示され た。
キーワード 批判的思考態度 テキストデータ 有罪・無罪判断

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テキストデータ分析では、大阪大学大学院経済学研究科の松村真宏先生と、本論文の第2著者である三浦麻子教授が共同開発したテキストマイニングの前処理ソフトウェアTinyTextMiner(TTM)を使用しました。

「実験社会心理学研究」への論文採録決定

以下の論文が日本グループ・ダイナミックス学会の論文誌「実験社会心理学研究」に掲載されることが決定しました。

村山綾・三浦麻子 (in press). 集団討議における葛藤と主観的パフォーマンス-マルチレベル分析による検討-.
実験社会心理学研究.
要 約: 本研究では、集団討議で生じる葛藤と対処行動、およびメンバーの主観的パフォーマンスの関連について検討した。4名からなる合計17集団(68名)にラン ダムに配置された大学生が、18分間の集団課題を遂行した。その際、討議開始前、中間、終了時に、メンバーの意見のずれから算出される実質的葛藤を測定し た。また討議終了時には、中間から終了にかけて認知された2種類の葛藤の程度、および葛藤対処行動について回答を求めた。分析の結果、集団内の実質的葛藤 は相互作用を通して変遷すること、また、中間時点の実質的葛藤は主観的パフォーマンスと関連が見られないものの、終了時点の葛藤の高さは主観的パフォーマ ンスを低下させることが示された。関係葛藤の高さと回避的対処行動は主観的パフォーマンスの低さと関連し、統合的対処行動は主観的パフォーマンスの高さと 関連していた。関係葛藤と課題葛藤の交互作用効果も示され、課題葛藤の程度が低い場合は、関係葛藤が低い方が高い方よりも主観的パフォーマンスが高くなる 一方で、課題葛藤の程度が高い場合にはそのような差はみられなかった。葛藤の測定時点の重要性、および多層的な検討の必要性について議論した。