「心理学研究」誌への論文掲載決定

以下の論文が心理学研究に掲載されることが決まりました。

村山綾・三浦麻子(2015). 被害者非難と加害者の非人間化―2種類の公正世界信念との関連―. 心理学研究, 86(1).

【概要】
本 研究では,公正世界信念を多次元的に捉え,内在的公正世界信念(負の投入には負の結果がともなうと考える傾向)と究極的公正世界信念(被害により受けた損 失は将来的に埋め合わされると考える傾向)が,被害者非難や加害者に対する厳罰指向に及ぼす影響を検討した。研究1では公正世界信念を多次元的に捉えるこ との妥当性を検証し,他の心理変数との関連を示した。研究2では,参加者に傷害事件に関する架空の新聞記事を読ませた後に,事件の被害者と加害者に対する 反応を測定した。その結果,内在的公正世界信念の強さは加害者に対する厳罰指向を生じさせる一方,究極的公正世界信念の強さは被害者との間の心理的距離を 大きくさせることが示された。さらに,内在的公正世界信念と厳罰指向の関連に,加害者に対する非人間化の効果が介在することも示した。被害者と加害者が顕 在化する際の2種類の公正世界信念と信念維持方略との関連について議論した。

キーワード:公正世界信念,被害者非難,厳罰指向,加害者の非人間化

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