IACCP 2016で発表してきました

名古屋で開催されたInternational Congress of Cross-Cultural Psychologyの大会に参加してきました。私は以下のタイトルでポスター発表をしました。

 Is misfortune a result of past misdeeds or compensated for in the future? – Cultural difference in justice reasoning – MURAYAMA, Aya & MIURA, Asako
内在的公正推論 と究極的公正推論の文化差について、宗教心の媒介効果と合わせて検討したものです。日本人は不運な目(交通事故)にあった道徳的価値の低い人物(窃盗犯) に対して、アメリカ人よりも内在的公正推論(不運はその人物が過去に悪いことをしていたからだ)をする一方、アメリカ人は道徳的価値の高低関係なく、日本 人よりも不運に対する究極的公正推論(不運はいつか良い出来事によって清算される)を行うという結果でした。また、文化と究極的公正推論の関係を宗教心の 強さが媒介しており、アメリカ人でも宗教心の強い人ほど、究極的公正推論を行いやすいことが示されました。Murayama & Miura (in press) の次の研究という位置づけのものです。
発表後、Congress Dinnerに参加しました。公設市場の屋上にあるビアガーデンが会場でしたが、ゲリラ豪雨が発生し、思い出に残るものとなりました。初めての参加でしたが、会員同士のコミュニケーションも活発で、居心地の良い大会でした。大会委員長の先生方やスタッフの皆様、ありがとうございました。

Social Justice Research 誌への論文掲載決定

以下の論文が「Social Justice Research」誌に掲載されることが決まりました。

Murayama, A., & Miura, A. (2016). Two types of justice reasoning about good fortune and misfortune: A replication and beyond.Social Justice Research.

While research into justice reasoning has progressed extensively, the findings and implications have been mainly limited to Western cultures. This study investigated the relationship between immanent and ultimate justice reasoning about others’ misfortune and good good fortune in Japanese participants. The effects of goal focus and religiosity, which previously have been found to foster justice reasoning, were also tested. Participants were randomly assigned to one condition of a 2 (goal focus: long term or short-term) × 2 (target person’s moral value: respected or thief) × 2 (type of fortune: misfortune or good fortune) design. For immanent justice reasoning, the results revealed that a “bad” person’s misfortune was attributed to their past misdeeds, while a “good” person’s good fortune was attributed to their past good deeds. Regarding ultimate justice reasoning, it was found that a good person’s misfortune was connected more to future compensation than their good fortune, whereas a bad person’s misfortune was not reasoned about using ultimate justice. There was no significant effect of religiosity or goal focus on justice reasoning, which is inconsistent with the findings of previous studies. The necessity of directly examining cultural differences is discussed in relation to extending and strengthening the theory of justice reasoning.

2 種類の公正推論を促進させると言われる、宗教性や長期目標への焦点化は、日本人を対象とした検討では効果がみられなかったものの、道徳的価値の低い人物の 不運は内在的公正推論が行われ、道徳的価値の高い人物の不運は究極的公正推論が行われるという傾向は先行研究と一貫していたという内容です。また、このよ うな先行研究の再現性の検討に加えて、幸運に対する公正推論についても新たに検討しました。

科学研究費補助金が採択されました

2016年度から、以下の課題名で日本学術振興会科学研究費(若手B)をいただけることになりました。

「未来に拡がる時間と公正推論」 研究代表者・村山綾

近畿大学国際学部に着任しました

2016年4月1日より、近畿大学国際学部に特任講師として着任しました。

引き続き、教育・研究活動に邁進していく所存です。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

「対人社会心理学の研究レシピ」が出版されました

対人社会心理学の研究レシピ: 実験実習の基礎から研究作法まで

 
以下の書籍にて、「第14章:情報共有と集団内葛藤」を担当させていただきました。

大坊 郁夫 (監修),谷口淳一・金政祐司・木村昌紀・石盛真徳(編) 2016. 対人社会心理学の研究レシピ. 北大路書房.
(担当p.188-204)

集団メンバー間で積極的に情報共有プロセスを導入することの重要性や、その効果的な方法について、実習形式で学べるような情報共有課題を作成しました。課題作成に際しては、関西学院大学文学部総合心理科学科の三浦麻子先生のゼミに所属していた梅田京さん、岡田依里さん、 歸山玄太さん、上有谷もえこさん、隈香央里さん、高橋麻里さん、山崎竜夜さんの協力を得ました。ここに記して感謝します。

心理学ミュージアムにて最優秀作品賞を受賞しました

日本心理学会第79回大会にて、心理学ミュージアムに応募していた作品「人はなぜ被害者を責めるのか?公正世界仮説がもたらすもの」が2015年度最優秀作品賞を受賞しました。作品に出てくるイラストは、田渕恵さん(日本学術振興会・関西学院大学)に描いていただきました。少し重たいテーマについて、分かりやすく伝えるためにあれこれと考えた作品ですが、その中でもこのイラストは欠かせない要素でした。上記のタイトル画像より作品のページをご覧いただけます。

クローズアップ 「メディア」 (現代社会と応用心理学 5) が出版されました

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-%E3%80%8C%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%80%8D-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%A8%E5%BF%9C%E7%94%A8%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6-%E6%B5%AE%E8%B0%B7-%E7%A7%80%E4%B8%80/dp/4571255055

以下の書籍にて、「トピック11 ブログ社会の『自己開示』と『自己呈示』」を担当させていただきました。

浮谷 秀一 ・大坊 郁夫 (編著), 2015. 日本応用心理学会 企画 クローズアップ 「メディア」 (現代社会と応用心理学 5) 福村出版.
(p.108-117)

インターネットを介したコミュニケーションの特徴や、そこで問題になること、ブログの読者や開設者として注意しておきたいことなどを中心にまとめました。

「認知科学」誌への論文掲載決定

以下の論文が「認知科学」誌に掲載されることが決まりました。

村山綾・三浦麻子(in press). 非専門家の法的判断に影響を及ぼす要因-道徳基盤・嫌悪感情・エラー管理に基づく検討-. 認知科学, 22(3)

裁 判員裁判が対象とするような重大な刑事事件に対する一般市民の法的判断の特徴について、道徳基盤の個人差や、事件の概要を知ることで誘発される嫌悪感情と の関係を明らかにした研究です。被害者の受けた傷の程度が重いほど加害者とされる人物(関与を全面的に否認)の罪責認定をしやすくなることが示され、その 背景には、冤罪につながる判断をすることに対する後悔の程度の低下があることが示唆されました。

詳細については、直接ご連絡いただくか、論文掲載まで今しばらくお待ちください(2015年9月掲載予定です)。

「法と心理」誌への論文掲載決定

以下の論文が「法と心理」誌に掲載されることが決まりました。

村山綾・三浦麻子 (in press). 裁判員は何を参照し、何によって満足するのか‐専門家-非専門家による評議コミュニケーション‐. 法と心理.

【概要】本研究の目的は、裁判員裁判を模した専門家‐非専門家の評議過程において、(1)非専門家が有罪・無罪判断に用いる材料が事前の意見分布や評議前 後の意見変容のパターンによって異なるかどうかを検討することと、(2)裁判員の主観的成果の指標として満足度に注目し、評議の満足度を高める要因を多面 的に検討することである。実験協力者の裁判官役1名(常に有罪を主張)、実験参加者の裁判員役3名の計4名からなる30集団が有罪・無罪判断を決定する評 議を行った。大学生90名のデータを対象とした分析の結果、非専門家は、専門家や多数派の意見を参考に自らの判断を行うこと、評議に関する満足度には専門 家に対する信頼の程度や、専門家や自分と同じ立場である非専門家との意見の相違などが影響することが示された。事件内容の理解も満足度を高めていたが、評 議中の発言量とは関連が見られなかった。裁判員の評議への実質的参加を高める評議デザインについて議論した。
Keywords:評議,裁判員制度,主観的成果

質問・コメント等は、メール(murayama(at)kwansei.ac.jp)で受け付けていますので、ご連絡ください。

「心理学研究」誌への論文掲載決定

以下の論文が心理学研究に掲載されることが決まりました。

村山綾・三浦麻子(2015). 被害者非難と加害者の非人間化―2種類の公正世界信念との関連―. 心理学研究, 86(1).

【概要】
本 研究では,公正世界信念を多次元的に捉え,内在的公正世界信念(負の投入には負の結果がともなうと考える傾向)と究極的公正世界信念(被害により受けた損 失は将来的に埋め合わされると考える傾向)が,被害者非難や加害者に対する厳罰指向に及ぼす影響を検討した。研究1では公正世界信念を多次元的に捉えるこ との妥当性を検証し,他の心理変数との関連を示した。研究2では,参加者に傷害事件に関する架空の新聞記事を読ませた後に,事件の被害者と加害者に対する 反応を測定した。その結果,内在的公正世界信念の強さは加害者に対する厳罰指向を生じさせる一方,究極的公正世界信念の強さは被害者との間の心理的距離を 大きくさせることが示された。さらに,内在的公正世界信念と厳罰指向の関連に,加害者に対する非人間化の効果が介在することも示した。被害者と加害者が顕 在化する際の2種類の公正世界信念と信念維持方略との関連について議論した。

キーワード:公正世界信念,被害者非難,厳罰指向,加害者の非人間化

質問・コメント等は、メール(murayama(at)kwansei.ac.jp)で受け付けていますので、ご連絡ください。